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延岡フィルが延岡高校に校歌伴奏CD贈呈 白秋作詞、女学校時代の校歌

延岡高等女学校で学生時代を過ごした延岡高校同窓会副会長の寺原八千代さん

延岡高等女学校で学生時代を過ごした延岡高校同窓会副会長の寺原八千代さん

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 延岡フィルハーモニー管弦楽団(延岡市東浜砂町)が10月8日、宮崎県立延岡高校の前身で旧制・延岡高等女学校校歌の伴奏CDを作成し、延岡高校に寄贈した。

CDを演奏、作成した延フィル代表の北林さん(中央)。同窓会幹部と川越校長も(後列左)

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 1990(平成2)年1月、クラシック演奏団体として発足した同フィル。地域貢献活動の一環として児童や生徒にオーケストラの伴奏で校歌を歌う機会を持ってもらおうと、創立25周年を迎えた2015(平成27)年から市内の小学校、中学校、高校、特別支援学校にオーケストラが演奏した伴奏CDを贈っている。

 戦後の学制改革で廃止された同高女には北原白秋作詞、山田耕筰作曲の校歌があった。今の延岡高校の校歌に引き継がれてはいないが、同高同窓会の副会長で同高女の同窓会「藤蔭会」会長も務める寺原八千代さんによると、校歌は今でも同窓会などで歌われているという。

 延フィルの音楽監督・椛山達己さんと代表の北林鉄平さんは延岡高校出身。昔から同校歌を知っており、美しい調べに魅了され、いつかオーケストラで演奏したいと考えていたという。椛山さんがオーケストラ用に編曲し、延岡総合文化センターホールで演奏、収録した。

 同高同窓会会長の池上武博さんは「女学校のほか、旧制中学などの校歌もあるので、同窓会の時には4つの校歌をすべて歌い、大変盛り上がる。校歌は卒業生が元気をもらえるなくてはならないもの。歴史の重さを感じる」と話す。

 寺原さんは、当時の校長が東京まで北原白秋を訪ね作詞を依頼したエピソードも披露した。旧制中学時代の卒業生に歌人の若山牧水がいるが既に亡くなっていたため、代わりに牧水の親友だった白秋に依頼したという。「白秋は快諾した後、実際に延岡に来て、五ヶ瀬川の川下りも十分堪能し、作詞している。高女はなくなったが校歌だけでも残していきたい」と話す。

 同校の川越勇二校長は「素晴らしいプレゼントに感謝。15年前に柳川(福岡県)の北原白秋記念館に行き、同高女の校歌が白秋作詞と聞いて驚いた。柔らかく穏やかな曲調で、白秋の『気品のある校歌を作りたい』という気持ちが詞で表現されていると感じた。全校生徒に聞いてもらい、歌う機会を作れたら」と話す。

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