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延岡の郷土詩人「渡辺修三」を顕彰する冊子出版 文化人など84人が寄稿

延岡市役所で行われた記者会見

延岡市役所で行われた記者会見

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「谷間の詩人」と呼ばれた延岡市出身の詩人・渡辺修三を顕彰する「渡辺修三顕彰会」が10月2日、冊子「詩人 渡辺修三の風景」を自費出版した。

渡辺修三顕彰会が発刊した冊子

 渡辺修三は1903(明治36)年、同市尾崎町生まれ。旧制延岡中学を卒業後、早稲田大学文学部に進学。西条八十に師事し、1928(昭和3)年に処女詩集「エスタの町」を出すなど詩壇の第一線で活躍し「モダニズムの旗手」と呼ばれた。

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 1929(昭和4)年、家庭の都合で早稲田を中退し帰郷後は、農林業・茶業を経営しながら数々の作品を意欲的に発表した。戦後は「黒岩地区文化懇話会」を発足し、地元・黒岩地区の青年団、医師、教師、文化人らと共に文化活動を行いながら創作を行い、宮崎県内の詩壇を代表する詩人たちに大きな影響を与えた。

 母校・延岡高校のほか、延岡工業高校、延岡学園高校など市内の小・中・高校12校の校歌を作詞し、今なお多くの児童・生徒らに歌い継がれている。

 顕彰会は、2013(平成25)年にできた詩碑の建立委員会を中心に、2015(平成27)年3月に発足。会員数は約90人で、毎年11月に詩碑祭を開催しているほか、市内の小・中・高校生を対象に詩を公募し顕彰する「ふたば賞」の創設、各種研修会・講演会の開催など、精力的な活動を続けている。

 出版した冊子はA4判198ページ。渡辺に影響を受けた県内の詩人や市内の文化人、顕彰会会員、渡辺の詩「天使たち」を日々の教育現場に取り入れている東海幼稚園の教諭や父母ら総勢84人が寄稿。渡辺との思い出、その生き方や詩、存在に対する思い、感想などをつづっている。

 詩碑の建立から顕彰会発足など、活動の中心的な存在だった前会長の湯浅一弘さんは、この冊子の完成を待たずに今年4月、80歳で亡くなった。

 湯浅前会長の同級生で会長を引き継いだ渡部俊雄会長は「この冊子の編さんに当たっては、渡辺修三の詩に関する文学的な顕彰ではなく、その優れた功績、文化的遺産を後世に伝えるため、平易・素朴を基本にした作品を選んだ。湯浅前会長は亡くなる直前まで、この冊子の完成を心待ちにしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、出版が半年ほど遅くなってしまった。地域の皆さんにも協力していただき、全ての冊子を早期に販売し終わるように頑張っていきたい」と話す。

 冊子は2,200円。販売に関しては、市内の学校や原稿執筆者、顕彰会員の親交・協力団体、東海幼稚園の保護者らに協力を求めるほか、一般の購入も受け付ける。申し込みは顕彰会事務局を務める東海幼稚園(TEL 0982-35-3780)、熊本安彦事務局長(TEL 090-3601-7218)まで。