暮らす・働く 学ぶ・知る

日向高校3年生がクラファンで購入した本をカフェなどに設置 約150冊を配本へ

「kakure cafe NICO」店主の堀千鶴さん(左)と日向高校3年生

「kakure cafe NICO」店主の堀千鶴さん(左)と日向高校3年生

  • 52

  •  

 宮崎県立日向高校(日向市財光寺)の3年生有志が、新型コロナウイルス感染拡大防止による勉強の遅れを本の力で解決したいと昨年7月に実施したクラウドファンディングで購入した本の設置を始めた。

[広告]

 昨年、コロナ禍で休校となり、受験を控えた同校3年生が「都会や私立の高校と違いオンライン授業がなく不安」「勉強が思うように進まずつらい」「進路をどうしたらいいか分からない」などの気持ちを抱えたことにより始まった同プロジェクト。オールイン方式で集めた寄付金1,184,000円で市内の高校生とまちの人が一緒に学べる本を150冊ほど購入することができた。

 本の配布先は10カ所ほど。月に1度「こどもカフェ」を運営する「kakure cafe NICO」(富高)には、子ども食堂に関する本や、食や子育てを意識した本、点字絵本など約20冊を配本。バックパッカーだったオーナーが営む「nap cafe」(日知屋)には、「そこに集う人に寄り添うような本」を選書。無料で起業や売上アップの相談を受ける「しごと創生拠点」(鶴町)には、グラフィックデザインや空間デザイン、ショップカードの作り方などが学べる本などを設置した。

 選書を担当した同校図書館の司書・宇野鮎子さんは「進路相談も受けているので3年生全員の進路希望をもとに本を購入させていただいた。協力いただいた方々には心からの感謝を伝えたい」と話す。「地方の高校図書館にとって、生徒が求めている情報に対し『いい本があるよ』と言えることが安心感を生み出し、成長を促すことができることを実感している」とも。

 推薦入試を終えた生徒からは合格の報告が続いているといい、「今回のプロジェクトに挑戦した意義は大きかった」と宇野さん。配本した先は「まちのマイクロライブラリー」として市民の方も本を読むことができ、それぞれのスポットで高校生と地域の大人の交流を生み出している。

 ほかに「パンとお菓子の店 みずわき」(北町)、「手作りケーキの店 ビッグパパ」(新生町)、「フジヤカメラ」(都町)、「Cafe & Bar BUCKAYRO」(都町)、「Sweets Cafe SEIKADO」(本町)、「DANBO*DELI」(上町)「cafeさんく」(富高)などに配本。1月中にはすべての設置が完了する予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース