手打ちそば店「蕎麦(そば)とお酒 ゆゑ」(日向市都町)がJR日向市駅から徒歩5分ほどの場所にオープンして、6月18日で1カ月がたった。
同店を営むのは、同市生まれで兵庫県育ちの安部陽比古(あきひこ)さん。2012(平成24)年に仕事で宮崎県を訪れた際に同市へ立ち寄ったことをきっかけに、移住を意識するようになった。移住するなら手に職を付けたいと考えていた安部さんは、以前から好きだったそばに関わる仕事がしたいと考え、そば打ちの技術を身に付けるため、2022年、兵庫県内のそば店で2年ほど修業した。その後は知人の店を間借りしてそばを提供するなどの経験を積みながら、製造業に従事して開業資金を準備。今年3月に日向市へ移住し、開業準備を進めた。
店舗面積は約30平方メートル。店内にはカウンター6席を設ける。安部さんが毎朝店内で打つそばには、石臼でひいた国産在来種のそば粉を使う。粒度の異なる3種類のそば粉と、産地の異なる2種類のそば粉を独自に配合した十割そばを提供する。仕込み水には鹿児島県垂水市の超軟水を使い、つゆには本枯れ節と北海道産昆布を使う。店名は古語で「趣」や「ゆかり」を意味し、「人との縁を大切にしながら、ゆっくりと食事やお酒を楽しんでもらえる場所にしたい」という思いを込めたという。
メニューは、「盛りそば」(1,100円)、「おろしそば」(1,300円)、「からすみそば」(1,800円)のほか、「そば寿司(ずし)」(1,000円)、「タコときゅうりの酢の物」(500円)などの一品料理を用意する。日本酒好きという安部さん。同店ではそばに合わせて楽しめるよう、全国各地の純米酒や純米吟醸酒、ナチュラルワインなどもそろえる。
安部さんは「15年前に日向を再訪した時、子どもの頃に祖父母の家で過ごした夏休みの記憶がよみがえり、懐かしい気持ちになった。自然や人の温かさにも触れ、いつかこの街で暮らしたいという思いが強くなった」と振り返り、「その思いをかなえるまでに時間はかかったが、そば打ちを学び、資金をためながら準備を進めてきた。産地や粒度の異なるそば粉を組み合わせることで、香りや食感に奥行きが生まれる。当店ならではの十割そばを楽しんでほしい」と話す。
営業時間は18時~23時。