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宮崎・日向で建築家・内藤廣さん講演会 自身設計の市庁舎ロビーで

稲門建築会会長の亀井忠夫さんとのトークセッションも。壇上右が内藤廣さん。

稲門建築会会長の亀井忠夫さんとのトークセッションも。壇上右が内藤廣さん。

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 建築家の内藤廣さんが7月24日、日向市庁舎ロビーで講演を行った。主催は稲門建築会九州支部。

講演会に先立ち行われた日向市駅の見学会で説明する内藤廣さん

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 内藤さんは日向市駅の駅舎設計のほか、2019(平成31)年には日向市の新庁舎も設計した。駅舎、市庁舎ともにスギ材をふんだんに使っているのが特徴。同駅舎は優れた鉄道デザインを表彰する「ブルネル賞」を日本の駅舎で初めて受賞したことでも知られる。

 内藤さんは講演で、「27年前に初めて旧日向市駅に降り立ち、町を歩いた時、(駅周辺は)廃れたまちだった。いったいなぜこうなったのかと怒りもわいた」と振り返ったほか、2006(平成18)年に新しい日向市駅が開業するまで、駅舎の設計を進めながら、日向のまちづくりのために小学校でのワークショップや、スギ材の可能性を探るデザインコンペ「杉コレクション」を開いたことなどを当時の写真を見せながら説明した。建築分野のさまざまなスペシャリストを巻き込み、地元の若い建築家と議論した思い出も語った。同市の市街地にある木材でできた街路灯などについて、当時、木材でいろいろな町の構造物を造ろうという機運が高まったが、建築業界の常識的な考えではなかったことも明かした。

 稲門建築会会長の亀井忠夫さんとのトークセッションでは、「建築はその人の世界観、人生観に始まる」と内藤さん。最後に「日向とは一生付き合うだろうなと思っている。第二の故郷、どこに行っても日向のことを思っている」と締めくくった。

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