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日向の就労支援施設で「林福」連携へ 障がい者の賃金アップ目指す

(左から)職業指導員の丸藤巌さんと施設長の黒木聖子さん

(左から)職業指導員の丸藤巌さんと施設長の黒木聖子さん

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 日向市上町の就労継続支援A型事業所「HRC plus」(TEL 0982-55-7005)が、手作りの木工品販売を始め、林業と福祉の連携を目指す。

木製のスプーンは500円~

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 同所が木工品の制作に取りかかったきっかけは、1月、異業種の事業者が集まって作った「善意のベンチ」。木工品を趣味で作っていた同所の丸藤巌さんが作り手として参加していたことから、「端材で木工品を作って販売すれば当所の利用者に就労の機会が生まれるのでは」と考えたという。

 同所施設長の黒木聖子さんと共に木材を提供してくれるところを探したところ、日向市で林業を営む企業と出合い、山師から直接木材を仕入れることができるようになった。4月、上町の同所直売店で販売を本格的に開始した。

 丸藤さんは「施設の直売所で必要なハンガーラックを作ったのが始まりで、木材加工に目覚めた。動画配信サイトで加工技術を学んだり、機械を譲ってもらったりして、今ではコップや皿、まな板などが作れるようになった。利用者さんにはやすりかけなどの作業をやってもらい、就労機会の創出にもつながることを実感している」と話す。

 黒木さんは「木工品は材料によって香りや風合いが違うことを知った。たとえば、サクラの木で作ったカップはコーヒーの苦みがまろやかになり、日本酒は安価なお酒でもおいしくなり、ビールの泡はきめが細かくなるように思う。お客さんの『こんな木工品が欲しい』という声にも対応できれば」と話す。「林業の分野も人手不足だと聞くので、今後、林業と福祉が協力する『林福連携』を進めたい。原木シイタケの栽培や植林など山師の仕事の手伝いも請け負えば、障がい者の賃金アップにつながるのではと期待している」とも。

 木工品の価格は500円~。

 直売所の営業時間は9時~16時。土曜、日曜、祝日定休。

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