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日向・塩見に「善意のベンチ」 トマト農家、製材所、福祉事業所がコラボ

(左から)HRC plusの黒木さん、丸藤さん、グロースリングの林さん、瓦田の佐藤さん

(左から)HRC plusの黒木さん、丸藤さん、グロースリングの林さん、瓦田の佐藤さん

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 日向市塩見に1月11日、業種の異なる人たちによる善意でベンチが設置された。

3社のロゴマークがベンチの端に付けられている

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 場所は塩見の笹河(ささご)バス停近く、「瓦田」の屋号でトマトなどを栽培する農家の佐藤未樹崇さんが昨年3月に設置したトマトの自動販売機の横。昨年末、その場所に置いておいた収穫用のコンテナに高校生2人が座っているのを見つけた佐藤さんが、なぜ座っているのか聞くと、高校生たちは恐る恐る「バスを待っているが、ベンチがないから」と答えたという。その後、立ってバスを待つ高齢者にも出くわしたため、ベンチを設置できないかと考えSNSに投稿した。

 投稿を見た就労継続支援A型事業所を運営する「HRC plus」(上町)の丸藤巌さんが、「技術はあるので材料さえあれば作る」と佐藤さんへメッセージを送った。時を同じくして製材会社「グロースリング」(日知屋)の社長・岸本泰生さんが木材の提供を申し出た。同社は昨年、塩見に自社ブランド「百年木材」のギャラリーを作っており、岸本さんは「塩見で世話になっているから、地元に貢献したい」と賛同したという。

 佐藤さんは「投稿してからたった1時間ほどでベンチ製作が決まった。出来上がってきたものを見ると予想以上にしっかりとした作りで、雨ざらしになっても腐敗しないように処理が施されていた。仕事上では関わることのない異業種の人たちの善意で作られたことを本当にうれしく思う。声を上げることで地域の問題が解決することを知った」と話す。

 佐藤さんはこれを機に、異業種の人たちとの交流会「ひなたベンチの会」を作り、活動していく予定だという。

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