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延岡の「ビストロ ル セルドール」が移転9周年 フランス料理の「入り口」を意識

シェフの濱野弘太郎さん(中央)と妻の初美さん(左)、パティシエの松本萌伽さん

シェフの濱野弘太郎さん(中央)と妻の初美さん(左)、パティシエの松本萌伽さん

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 フランス料理店「ビストロ ル セルドール」(延岡市旭ヶ丘、TEL 0982-37-8488)が10月1日、移転オープン9周年を迎えた。

「お肉のランチ」には「国産牛ロース肉のポワレ 赤ワインソース」も

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 延岡生まれ、延岡育ちのオーナーシェフ、濱野弘太郎さんは関西の有名フランス料理店「ジャンムーラン」などで働き、腕を磨いた。その後、宮崎に戻り、数店のフランス料理店、イタリア料理店で料理長を務め、1998(平成10)年、延岡市祇園町に念願の店をオープン。14年間営業したのち、建物の老朽化などにより移転を決意し、2012(平成24)年に今の場所に出店した。

 濱野さんは「地元が好きだったので、宮崎に帰り、店を出すことは当たり前だった。オープン当時は宮崎ではエシャロットやパプリカといった西洋野菜が手に入らなかった。『フランス料理ってどんなもの?』という人が大半で、それなら私は高級店ではなく、フランス料理の入り口になるような店を作ろうと思った。生のハーブも手に入らなかったので、種をまいて育てるところから始めた」と話す。

 店名はフランス語で「金の塩」という意味。濱野さんは「素材の味を引き出し、おいしい料理の決め手になるのはやっぱり塩。海の恵みも山の恵みもすぐ近くにある延岡で、地元の食材を生かした料理を作っている」という。釣りが趣味だという濱野さんは漁港に出掛け、自らが競り落とした魚介類を使い、調理する。濱野さんのスペシャリテであるアユのコンフィを使った「アユのリングイネ」には、自分が釣ったアユを使うこともある。

 美食の街、スペインのサンセバスチャンを目指し、延岡市が2016(平成28)年から大分県佐伯市と共同で行ってきた「東九州バスク化構想」の取り組みに参加し、刺激を受けたという。「私が延岡でやってきていることが時流に合っているのか、正しいのかと考えることもあったが、これでいいと思えた。ある食の専門家から、『おいしいものはどこにでもある、後は作り手の意識』と言われたことは今でも心に残っている」と話す。

 ランチメニューは、「パスタランチ」(1,320円)、メインを選べる「お魚ランチ」(2,750円)、「お肉のランチ」(3,080円)など。ディナーのコース料理は3,520円~。プレミアムディナーコース(1万1,000円~、3日前までに要予約)も用意する。

 営業時間は、11時30分~15時、18時~22時。ディナーは当日14時までに要予約。水曜定休。

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