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宮崎・延岡で地元産チリメンを「アヒージョ」に 被災者支援の思い込め

ちりめんアヒージョを手にする高橋水産の高橋建生社長(右)と留美子夫人

ちりめんアヒージョを手にする高橋水産の高橋建生社長(右)と留美子夫人

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 延岡市土々呂町の高橋水産(TEL 0982-37-0626)が4月、地元産チリメンを使い、常温保存にこだわって開発した「ちりめんアヒージョ」の販売を始めた。

ブルーの瓶が目印の「ちりめんアヒージョ」

 同社は、創業から100年を超える老舗水産加工会社。日向灘で水揚げされたばかりの魚介類をそのまま加工場に持ち帰り、その日のうちに処理して加工するなど、無添加・無着色にこだわった製品作りに励む。

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 バッチ網(船引き網)でチリメンを取る漁は土々呂が発祥とされ、漁業普及員をしていた高橋建生(けんせい)社長の祖父・一市郎(かずいちろう)さんが静岡などに広めたとされる。

 同商品は、香川県小豆島のオリーブ鍋を参考に、自宅で振る舞っていた鍋が原型。高橋社長は「港に水揚げされイカや深海エビ、鶏肉、野菜などをオリーブオイルで煮込み、カツオの塩辛などで味付けしたもの。友人らに評判で、知る人ぞ知る名物鍋になっていた」と話す。

 この鍋を特産のチリメンを使って商品化できないかと試行錯誤を重ねた。釜ゆでし天日乾燥したチリメンを、たっぷりのオリーブオイルに漬け込み、地元産トウガラシ、自家製魚醤(ぎょしょう)などで味を調え高圧殺菌した。トーストに塗ったり、パスタやサラダに交ぜたり、そのままレンジで温めて食べるのもよいという。地元の延岡学園高校調理科生がこのアヒージョを使ってコロッケ、ギョーザ、豚汁などを作り、コロッケはユーチューブで作り方を公開している。

 常温保存が可能になる高圧殺菌の設備は今回、特別に導入した。2年前の熊本地震で、高橋社長の姉夫婦が住む益城町は大きな被害を受けた。偏りがちになる栄養分を補うため、火を使わずにすぐ食べられる自社商品を選別して現地に駆け付けたところ、普段は魚嫌いな被災者からも「不足しがちなタンパク質やカルシウムを補充できた。何よりおいしかった」と喜ばれたという。

 同社にはすでに100以上のオリジナル商品があるが、アヒージョのほかに、チリメンみそ、カツオみそ、魚燻(さかなくん)といった常温保存商品も同時開発した。高橋社長は「これからも地元の素材にこだわり、災害時には栄養補給につながる安全・安心な商品を開発していきたい」と意欲を見せる。

 同商品は90グラム入りで、価格は650円。土々呂町、日向市、宮崎市の各直営店、延岡市内の道の駅などで販売中。

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