日向市が3月28日、電力会社「ひむかコミュニティパワー」(日向市曽根町)と脱炭素社会づくりに向けた包括連携協定を締結した。
(左から)「ひむかコミュニティパワー」の枡野さん、島原さん、平崎さん
日向市に生産工場を持つ男性用高級下着メーカー「TOOT(トゥート)」、産業用機械メーカー「MFE HIMUKA(エムエフイー ヒムカ)」(日向市日知屋)、JAG国際エナジー(東京都千代田区)の三社共同出資により昨年12月に設立した「ひむかコミュニティパワー」は日向市初の地域電力会社。
「ひむかコミュニティパワー」社長の平崎崇史さんは「地域外に流出する年間約39億円の電気代を地域で少しでも消費できるよう、エネルギーの地産地消を目指したい」と話す。同社では太陽光電力の購入や売電事業を企業間で行い、将来的には家庭向けに展開する計画という。
TOOTの枡野恵也社長は「若い世代にとって地球環境やSDGsの取り組みを示せない企業はもうそれ自体がファッションではない。自社が作るパンツという製品はリサイクル、リユースには向かない。それなら、電気を地域で作り、まちに貢献し、共存していくことがファッションブランドとしての役割だと考えた」と話す。
MFE HIMUKAの島原俊英社長は「電力会社の事業は、地元産業の活性化を目指す『ひなたイノベーションセンター』でのアイデアから誕生したもの。地域の資源を最大限に活用し、今後も課題を解決していきたい」と話す。
TOOTでは4月から、日向市にある自社工場で使う全ての電力を同電力会社から購入する予定という。MFE HIMUKAは今後、工場に太陽光発電パネルを設置し、自社の電力をまかなう予定という。