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日本初とされる国産ワイン、復刻版販売から1年 宮崎・五ヶ瀬ワイナリーが醸造

伽羅美酒の製造を手掛けた五ヶ瀬ワイナリーの宮野恵さん

伽羅美酒の製造を手掛けた五ヶ瀬ワイナリーの宮野恵さん

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 宮崎県五ヶ瀬町の「五ヶ瀬ワイナリー」(TEL 0982‐73‐5477)が、江戸時代に小倉藩で造られていた日本初とされる国産ワインの復刻版販売を始め、2月22日で1年がたつ。

「伽羅美酒」の「酒」の字はさんずいに「醫」

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 復刻したワインは「伽羅美(がらみ)酒」。ブドウ科の「エビヅル」、通称「ガラミ」を原料とすることから名付けられた。五ヶ瀬ワイナリーで試作品の醸造から携わる宮野恵さんによると、小倉藩の2代目藩主の細川忠利が家臣に命じて、1627年ごろからわずかな期間だけ造られていたという。その後、忠利が熊本藩主になったため、細川家の美術品、資料を収蔵、研究する永青文庫に「ぶだうしゆ(葡萄酒)」の記述がある古文書が残っていた。福岡県北九州市の学芸員の調査によって明らかになり、その後、熊本大学永青文庫研究センターの研究員らの詳細な研究によって、製造された葡萄酒がアルコール発酵されたワインであることがわかった。

 古文書に、現在の福岡県みやこ町で取ったガラミを原料にして製造したと記されていたころから、同町でワインの復活を目指すプロジェクトが発足。2018(平成30)年、五ヶ瀬ワイナリーが試作品を完成させ、約400年ぶりに復活した。翌年、限定商品として世に出すために仕込みを始め、2020(平成32)年2月、小倉城築城の年(1602年)にちなみ、1602本の販売がスタートした。

 五ヶ瀬ワイナリーの宮野さんは「縁があって私どもが日本最古の国産ワインを造ることになったが、ブドウで造る普通のワインよりもアントシアニンが多いため色が濃く、ヤマブドウ系の酸味が特徴。常温で飲む方がうま味を感じられる。忠利公は健康のため薬酒として飲むためにワイン造りを命じたようだ。ストーリーのあるお酒なので、当時の人がどういう気持ちで造ったのか、味わったのか、想像し語り合いながら楽しんでほしい。ワインの楽しみ方が広がるお酒だと思う」と話す。五ヶ瀬ワイナリーの売店のほか、小倉城の観光施設「しろテラス」で取り扱うが、残りは300本ほどだという。

 価格は5,280円。

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