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宮崎・日向で「戦跡めぐり」 戦争体験者による講話も

晴天の中行われた「戦跡めぐり」

晴天の中行われた「戦跡めぐり」

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 宮崎・日向で8月4日、市内の戦争跡地を巡る「戦跡めぐり」が行われた。主催は日向・平和のための戦争展実行委員会。

案内役を務めた福田鉄文さん

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 毎年8月の第1日曜に行っている同ツアー。過去の戦争を振り返り、いかに平和が大切かを参加者と一緒に考える。今年は日向市役所(本町)敷地内の「学童集団疎開記念記念之碑」「朝鮮人帰国記念碑・記念樹」、塩見城址公園(塩見)の「教育勅語四十周年記念」碑、水月寺墓地(同)、塩見小学校の「学童集団疎開記念之碑」(同)、塩見運動公園の「奉安殿落成記念碑」(同)の戦跡6カ所を巡った。同市には当時、海軍の富高飛行場があったため幾度となく空襲があった。

 この日は、小学6年生のころ、塩見で空襲を受け、父を亡くし、自身も大腿部に傷を負ったという日向市在住の平山直雄さんによる空襲体験を聞く時間も設けられた。

 同実行委員会事務局長で案内人を務めた福田鉄文さんは「戦争を知らない方も多くなった。戦争を忘れないために戦跡を回って平和について考える。広島、長崎の原爆の日や終戦記念日など戦争について考える月なので、毎年8月に行っている」と話す。

 日向市には戦中、沖縄県浦添市の学童や教師などが集団疎開をしていた。「奉安殿」は、戦時中、天皇皇后両陛下の写真と教育勅語を納めていた建物のことで、今回巡った場所は1935(昭和10)年の落成を記念して作られたものという。水月寺墓地には空襲の犠牲となった相高実さんや、フィリピン・ルソン島で戦死した相高勇さんが眠っている。

 宮崎市から参加した40代の女性は「県内には戦跡が多い。この戦跡巡りをきっかけに知らない方と交流ができ、平和の大切さ、記念碑などを後世に残していくことの大切さを感じた。若い人たちや地域の人たちも知ってもらう機会が増えれば」と話す。

 8月15日まで、日向市役所1階ロビーで「原爆写真 パネル展」も開催している。

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