![稲門建築会会長の亀井忠夫さんとのトークセッションも。壇上右が内藤廣さん。](https://images.keizai.biz/hyuga_keizai/headline/1658803226_photo.jpg)
建築家の内藤廣さんが7月24日、日向市庁舎ロビーで講演を行った。主催は稲門建築会九州支部。
内藤さんは日向市駅の駅舎設計のほか、2019(平成31)年には日向市の新庁舎も設計した。駅舎、市庁舎ともにスギ材をふんだんに使っているのが特徴。同駅舎は優れた鉄道デザインを表彰する「ブルネル賞」を日本の駅舎で初めて受賞したことでも知られる。
内藤さんは講演で、「27年前に初めて旧日向市駅に降り立ち、町を歩いた時、(駅周辺は)廃れたまちだった。いったいなぜこうなったのかと怒りもわいた」と振り返ったほか、2006(平成18)年に新しい日向市駅が開業するまで、駅舎の設計を進めながら、日向のまちづくりのために小学校でのワークショップや、スギ材の可能性を探るデザインコンペ「杉コレクション」を開いたことなどを当時の写真を見せながら説明した。建築分野のさまざまなスペシャリストを巻き込み、地元の若い建築家と議論した思い出も語った。同市の市街地にある木材でできた街路灯などについて、当時、木材でいろいろな町の構造物を造ろうという機運が高まったが、建築業界の常識的な考えではなかったことも明かした。
稲門建築会会長の亀井忠夫さんとのトークセッションでは、「建築はその人の世界観、人生観に始まる」と内藤さん。最後に「日向とは一生付き合うだろうなと思っている。第二の故郷、どこに行っても日向のことを思っている」と締めくくった。