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宮崎・延岡で耕作放棄地を子どもたちの遊び場に 「のつる自然公園」誕生

のつる自然公園を管理し、事務局を担当する黒木善久さん

のつる自然公園を管理し、事務局を担当する黒木善久さん

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 延岡市北川町の家田(えだ)地区で子どもが自然と自由に触れ合うことのできる場所として整備された「のつる自然公園」が現在、利用者を募集している。

木と木の間でスラックラインも

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 整備、管理しているのは、家田(えだ)地域おこし検討会の黒木善久さん。自宅近くの約2町歩(1万9800平方メートル)の耕作困難地で、この場所を有効活用することを目的に、延岡市北川町「まちづくり活動交付金」によって開発してきた。今年3月に「のつる自然公園」の名称で、利用者の募集を始めた。

 園内では、切り込みを入れた丸太に直接火を付けて楽しむたき火「スウェーデントーチ」をすることもできる。チェーンソーで丸太に切り込みを入れた部分から空気が入り、熱が閉じ込められる仕組みで、火がいつまでも燃え続けるのが特長となっている。他にチェーンソーなどの農機具や、カナディアンカヌー、簡易式トイレの貸し出しも無料で行う。

 昨年12月、子育て支援センターの「おやこの森」スタッフなどと共に試験的に親子で自由に遊ぶイベントを行った。スウェーデントーチのほか、園内の斜面を生かした草スキー、木と木の間に専用の細いベルトを張って、バランスを取りながら渡り切る「スラックライン」など、さまざまなアウトドア体験を楽しんだという。参加した延岡市駅前複合施設「エンクロス」市民活動担当の橋本徹さんは「通常の遊具はないけれど、アイデアさえあれば何でもできる。自然の中で星空を眺めたり、たき火を囲んで餅やパンを焼いたりするのは大人にとっても格別なひととき。遊び方は無限にある」として利用を呼び掛けている。

 黒木さんは「ここは、洪水があると家田地区の中で最初に水につかってしまう場所で、流木や漂着ゴミの『ごそ』がたまり、整備するのが大変。6年をかけてやぶだらけ、ジャングル状態になっていた土地をきれいにした。『どうしようもない場所』ではないことを地元の人に分かってもらえたらと思う」と話す。また「子どもたちが探究心や問題解決能力を育む場として、家族や友達と自然の中で思い切り遊ぶ環境が必要。キャンプで火をたいたり、食事をしたり、クヌギの木があるので、夏はカブトムシなどの昆虫を採集したりすることもできる。器具の貸し出しなどできる限りのサポートはするので、自由な発想で楽しんでもらえたら。ここはコロナも関係ない場所。都市と農村の交流の場になれば」とも。

 利用無料。申し込みは黒木さん(TEL 090-9653-4673)まで。

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