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宮崎・椎葉の「九州山蕎麦」が最高賞 世界農業遺産5町村の特産品生かす

「九州山蕎麦」を考案、製造した椎葉昌史さん

「九州山蕎麦」を考案、製造した椎葉昌史さん

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 宮崎・椎葉でそば店や菓子店を営む「椎葉屋」の5種類のそばをセットにした「九州山蕎麦(そば)」が2月、「優良ふるさと食品中央コンクール」で最高賞を受賞した。

宮崎バターサンド(菓te-ri)も販売する「椎葉屋」

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 同コンクールは地域経済における基幹的産業として重要な役割を果たしている優良なふるさと食品と生産者を表彰するもの。今回は「国産農林産品利用部門」で最高賞である農林水産大臣賞を受けた。宮崎県の最高賞受賞は2013(平成25)年の「ゴボチ」(デイリーマーム)以来。

 宮崎県の山あいの地域である「高千穂郷、椎葉山地域」は、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村の5町村から成り、2015(平成27)年に世界農業遺産に登録された。九州山蕎麦はその地域のそれぞれの産品を使っていることが特徴で、高千穂町の米、日之影町のユズ、五ヶ瀬町の釜いり茶、諸塚村のシイタケを練り込んだ変わりそばと、椎葉村のそばがセットになっている。

 椎葉屋の椎葉昌史さんによると、椎葉村は日本で唯一焼き畑が残る秘境だが、担い手不足により伝統食の材料であるソバの生産量が10年前の約半分になっているという。椎葉さんは伝統食を後世に残したいという思いから就農し、ソバ栽培に挑戦。今は椎葉さんの同級生が引き継いでいる。

 椎葉さんは「世界農業遺産に登録された地域が5町村に分かれており、あまり交流がなく、連携しづらいことを感じていた。何か懸け橋になるような商品、世界農業遺産や5町村のPRにもなる商品が作れないかと思い、各地の特産品を使い形にした」と話す。「今回のコンクールはまず宮崎県の代表にならないとエントリーさえできないもの。受賞の一報が届いたときには全く信じられず、見間違いだろうと思ったくらい。各地の生産者や、椎葉の障がい者の方々の包装作業などの協力があって、作り上げられている。次の世代にこの地域を引き継いでいけるよう、今後も地域課題のために力を尽くしたい」とも。

 価格は2,500円。送料込みの「九州山蕎麦食べ比べセット5人前つゆ付」(1,750円)もある。

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