宮崎県立日向高校(日向市財光寺)の3年生有志が、新型コロナウイルス感染拡大防止による勉強の遅れを本の力で解決したいと7月7日、クラウドファンディングへの挑戦を始めた。
返礼品には日向高校紫雲祭のオリジナルTシャツも(写真は昨年バージョン)
コロナ禍で休校となり、受験を控えた日向高校3年生の中には「都会や私立の高校と違いオンライン授業がなく不安」「勉強が思うように進まずつらい」「進路をどうしたらいいか分からない」などの気持ちを抱える生徒がおり、同高図書館司書の宇野鮎子さんなどに相談していた。改めて「学びとは何か」を掘り下げて考え、不安な状況を乗り越える方法として、教育系大学に進学希望の有志9人が出した答えは「学びのための本」を購入し、情報を得ること。同時にコロナショックの影響を受けた街の人たちにも元気になってほしいとそれらの本を市内のカフェやその他飲食店に置いてもらい、地元の大人たちから進路への助言をもらうきっかけを作ろうと考えたという。
目標額は150万円。支援金は本の購入費などに充てる。
司書の宇野さんは「同高の図書館では、生徒の話を聴きながら必要な資料を手渡す対話支援(レファレンスサービス)に力を入れている。本校に着任して4年目だが、3年生への年間貸出冊数は以前の7倍になり、進路を考えるに当たり図書の持つ意味が大きいことを生徒たちは分かっている。今回支援を募ることで、『自分たちは独りではない』ということも生徒たちに感じてほしい」と話す。宇野さんによると、公立高校の図書館では広く多くの生徒に学びの機会を与えるという意味で、高度な専門書を買うことが難しいという。
プロジェクトをサポートする中小企業を支援する「ひむか‐Biz」センター長の長友慎治さんは「コロナ禍で先行きが不透明な状況だが、日向高校生と地域で活躍する大人たちがつながることで、高校生の不安を減らし、互いがより輝けるように応援したい」と話す。
支援は3,000円~。支援額によって、日向高校オリジナルカレンダー、紫雲祭オリジナルTシャツなどが返礼品として贈られる。募集は8月10日まで。