「福祉のまちづくりフォーラム」が2月18日、大王谷コミュニティセンター(日向市亀崎東)で開催された。
今回で6回目となる同イベント。子どもから高齢者まで性別や年齢、障がいの有無にかかわらず、すべての人々が人としてお互いを尊重し、住み慣れた地域で助け合い、支え合いながら、安心して暮らせる「地域共生社会」を実現することを目指す。
第1部では、横浜市立大学都市社会文化研究科教授の影山摩子弥さんが「障がい者雇用の可能性がいい社会をつくる」というテーマで基調講演を行った。障がい者を雇用して生産性が上がった企業や、職場のコミュニケーションが活性化、人間関係が改善した企業や、リスクマネジメントが促進された企業を紹介した。影山さんは「人手不足の時代に障がい者は戦力になる。そのことに気づいていない経営者がまだまだ多い」と指摘し、障がい者が安心して働けるまちづくりを目指すには「心理的安全性が高い地域にしていくことが大切」と呼び掛ける。
第2部では、日向市の社会福祉法人「風舎」で就労支援を担当する矢野慎也さん、創業20年になる清掃会社「グローバルクリーン」社長の税田和久さんが、それぞれの職場での実践事例を紹介した。地元で障がい者を積極的に雇用する税田さんは、障がいがある社員が訓練や研修を重ねて清掃業務のプロフェッショナルに成長していく様子を紹介し、「どんな人でも自分らしく働ける会社を作っていく」と話した。
第3部では、ひまわり支援学校高等部に通う子を持つ保護者を交え、影山さん、税田さんがパネルディスカッションを行った。子どもの就職先について不安や悩みを抱える保護者に対し、それぞれの立場からアドバイスしたり、意見交換を行ったりした。
日向市社会福祉協議会事務局の三輪勝広さんは「誰もが住みやすい社会を実現するためには、企業と学校、行政、社協と各種団体が連携して取り組むことが重要。日向市全体で誰もが住みやすい社会を作っていきたい」と話す。