日向市在住の那須記男さんが12月7日、「郷土民謡民舞全国大会」で日本一に輝いた。主催は日本郷土民謡協会。
埼玉県さいたま市で開かれ、59回を迎えた同大会。日本全国から予選を勝ち抜いた人たちが出場し、三味線、尺八、民謡、民舞などの部で日ごろの鍛錬の成果を競い合った。
那須さんは日本で唯一の伝統工芸品「はまぐり碁石」の職人で、2018(平成30)年に宮崎県伝統工芸士にも認定されている。民謡の技も一流で、「日向木挽唄全国大会」での優勝のほか、数々の賞を受賞している。今回は南九州地区連合大会を勝ち抜き、代表の1人として参加。年齢別に分かれた「民謡3部」で宮崎県の郷土民謡である「刈干切唄」を歌い優勝した。各部門の優勝者、準優勝者で争うチャンピオン戦でも優勝し、文部科学大臣賞を獲得。文字通りの日本一になった。
那須さんは「民謡の大会はいろいろあるが、この大会は2大大会の一つ。南九州地区の代表になるのも大変なので、まさか優勝できるとは思っておらず、審査結果を聞いたときは本当に頬をつねって確かめた。チャンピオン戦では、周りはきれいな振り袖を着た女性の歌い手ばかりだったが、気持ちよく歌えたのが良かったのだと思う」と振り返る。
普段の練習は週1~2回開いている自身の民謡教室での指導だという那須さん。「私の生徒さんたちが今回の優勝をくれたようなもの」と笑顔を見せる。次は10月に開催される内閣総理大臣杯争奪戦に出場する予定。