美郷南学園(南郷神門、TEL 0982-59-0120)に通う中学3年生らが11月30日、宮崎・美郷町南郷で音楽イベントを開き地域を盛り上げようと「美郷フェスin南郷~私たちが元気を届けます」プロジェクトを立ち上げた。
2010(平成22)年4月から幼稚園、小学校4校、中学校2校が統合して幼小中一貫校が始まり、現在、全校生徒105人の同学園。9年間を通して地域をさまざまな視点から学ぶふるさと教育「美郷科」を総合的な学習の時間で取り組んだ。
今回、美郷科で中学3年の10人が、過疎化や少子高齢化により、人口減少が進み、若者が年々減っていくという現状を調べ、内閣府が提唱する未来社会のコンセプト「ソサエティー5.0」も学んだ。
「南郷を全国の人に知ってもらい、今まで以上ににぎやかに」をテーマに、今年8月、町長をはじめとする美郷町役場の各担当課長に向けて、町の将来像を提案する「子ども会議」で同プロジェクトを提案した。
同町には奈良の正倉院所蔵品と同じという銅鏡が収められていることから、正倉院の原図を元に建てた「西の正倉院」(南郷神門、TEL 0982-59-0556)が建つ。生徒らは、美郷フェス実行委員会を立ち上げ、この場所でコンサートを開くことを目指す。
実行委員長の黒木咲さんは「『西の正倉院』は、歴史は浅いが、正倉院と同じ造りで、同じ文化財が展示されている。一方、知名度が低く、来館者も少ない。もっと多くの人に知ってもらい、同時に美郷町南郷も知ってもらいたい。クラウドファンディングで支援していただけるよう皆で協力してきた。目標は来場者数300人以上。町内に高校がないため、卒業すると私たちは町外へ行く。卒業式1週間前にコンサートを行うので成功させたい」と話す。
フェス出演者は、同校で演奏したことのあるシンガー・ソングライターの下成佐登子さん、筑前琵琶演奏者の寺田蝶美さんなどを予定する。同プロジェクトでは現在、来年3月8日のフェス開催に向け、クラウドファンディングでプロジェクト支援者を募集している。