平成から令和へと御代替りすることを祝い来年、「諸塚神社」(諸塚村七ツ山)で開かれる夜神楽に向け、神楽の舞手が着る衣装「狩衣(かりぎぬ)」を作るための「麻糸作り」体験が7月6日に行われた。会場は、日向市東郷町の古民家「西林(せいりん)」。
夜神楽は2月15日・16日に開催。参加者が作った麻糸を材料にした衣装が奉納される。
講師を務めたのは桂正八幡神社宮司の妻・甲斐志麻さんによれば麻の繊維と繊維を一本の糸にすることを「績(う)む」という。甲斐さんは「5年前に行われた夜神楽で、西都在住の染織家である横田康子さんと出会い、戦後まで生活の一部であった麻糸から作った狩衣を作ってみたいと思うようになった。たくさんの方と一緒に績んだ麻糸で衣装を作り、奉納することはとても貴重なこと。興味がある人も多く、自らやってみたいと声を上げてくれる人がいてありがたい」と話す。作られた糸は糸車機でよりをかけ、機(はた)にかけられる。
諸塚村には戸下神楽、南川神楽、桂神楽の3つの神楽があり、今回作った衣装は「桂神楽」の大神楽のためのもの。甲斐さんによれば、桂神楽が奉納される諸塚神社は全国でも珍しいといわれる28柱のご神体が祀られており、大神楽の開催は、2015(平成27)年の立岩地区公民館の新築以来となる。諸塚村の神楽は高千穂町とは舞い方が違い、祭り初めに御祭神を招き迎える「神降ろし」、御祭神の出発を送る「神送り」があるという。