日向市富高の絵手紙作家、塩月育代さんが2月1日、「女性のチャレンジ賞」を宮崎県より授与された。
同賞は県が、男女が互いに人権を尊重し、性別にかかわりなく個性と能力を十分に発揮できる「男女共同参画社会」づくりの一環として定めたもの。「女性のチャレンジ賞」は塩月さんのみが、「男女共同参画功労賞」には宮崎市、都城市、延岡市の3人の女性が選ばれた。県庁で授与式があり、河野俊嗣宮崎県知事から賞状が塩月さんに手渡された。
塩月さんは20年前に脳出血を起こし、一命はとりとめたものの、文字を読んだり言葉を話したりすることができない高次脳機能障がいの一つ「失語症」を患った。当時は会話もできず、文字を書くことができても、その文字の意味を理解し、口に出して読むことができない状況で、絵手紙を始めたのもリハビリテーションのためだった。
塩月さんは「今も言葉がすぐに出てこなかったり、相手の言っていることがすぐに理解できなかったりするが、それでもここまで回復できたのは、支えてくれた周りの皆さまのおかげ。病気の時に描いていた夢が一つ一つかなって、人との出会いで自分がどんどん変わっていくことを実感している。受賞の知らせを受けたときは、まさか自分が頂けるなんて信じられなかった。私にはもったいないくらいのご褒美」と話す。
2月27日にはホテルベルフォート日向(上町)で、塩月さんの受賞を記念した報告会、お礼の会が開かれる予定。