大型バスに石窯を積み、主に九州で移動販売を行うピザ店「ピザバス グラッチェ」(福岡県筑紫野市)が10月12日まで、日向、延岡に出店している。
店主の主税(ちから)勝幸さんは元々、自作の窯でのピザ作りが趣味だったが、8年前の53歳の時、勤めていたユニットハウスメーカーを辞め、移動販売のピザ店を始めた。石窯だけで1トンほどの重さがあるため、スクールバスとして使われていた車両を譲ってもらい、約1,000万円かけて改造したという。友人のつてをたどり、伊ミラノでの修業も経験した。
主税さんは「サラリーマン時代から南九州は縁のある土地で、昔の知り合いが店に来てくれることもある。奄美大島や壱岐など島で出店することもあり、冷凍食品のピザしか食べたことがないお客さんに『これが本当のピザか』と喜んでもらうこともある。以前、末期がんを患ったお客さんが最期に食べたいものを聞かれ、うちのピザと答えたという話を聞いたときは、泣きながらピザを焼いた」と思い出を語る。
店を一緒に切り盛りする妻のみどりさんは「いろいろな所で出店しているので、その土地の名所や名産品を知ったり、人と出会ったりすることが楽しい。今まで出店した中で一番遠かったのは名古屋。いつか北海道で出店したい。夫も私もアウトドアが好きなので、北海道で山に登ったり、ピザを焼いたりしながら過ごしてみたい」と話す。
ピザは「マルゲリータ」「ミックスピッツア」「ポテトとベーコンのピッツア」など全7種。価格はいずれも、ハーフサイズ=1,400円、レギュラーサイズ=2,000円。「唐揚げ」「メガ盛りポテト」(以上500円)などのサイドメニューもある。
今回の宮崎県北での出店は、イオン日向店(日向市日知屋)=6日まで、イオン多々良店(延岡市岡富町)=7日~12日。営業時間は10時~19時。