大小約400の色鮮やかなこいのぼりが4月15日、宮崎県北の山あいの町、日之影町の中心部を流れる日之影川の上に掲げられた。
日之影町商工会青年部が子どもたちの健やかな成長と町の観光を兼ねたまちの活性化を目的に、1985(昭和60)年から毎年行っている。きっかけは、同年に日之影川に架けられた青雲橋。橋面から水面までは高さ137メートルあり、当時は国内1位の高さを誇っていた。水面近くに広がる町中心部の交通量や人通りが減少することを懸念して始められた。
2005(平成17)年、台風14号で日之影町は甚大な被害を受け、当時倉庫に保管していた約300匹のこいのぼりを水害ですべて流出した。住民らの寄付により、約240匹のこいのぼりが集められた。現在は、地域のさまざまな課題解決を目指す団体「九州つなぎ隊」や役場のボランティアなどとも協力し、こいのぼりの数を約400匹にまで増やしている。
同青年部長の中川穣さんは「昨年に引き続き新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、30年以上にわたってつないできたこいのぼりのバトンを無事つなげることができた。今年は観光というより、一刻も早い新型コロナウイルスの終息を願って掲揚した。3密を避け、感染対策をしたうえでたくさんの人に見てほしい」と笑顔を見せる。
こいのぼりの掲揚は5月末までの予定。