中小企業庁が主催する「アトツギ甲子園」の最終審査に、延岡市、椎葉村の事業承継者が選ばれた。
アトツギ甲子園とは、34歳以下の中小企業の承継予定者(アトツギ)が新規事業プランを競うイベント。全国規模で行われるのは初めてで、書類審査の予選には101人のエントリーがあり、その中から15人のファイナリストが選ばれた。新規事業の実現に向けて、販路開拓・資金調達・技術開発・人材採用などの課題を解決するためのビジネスパートナーを求めてビジネスプランを発表する。
宮崎県で選ばれたのは、城山ふとん店(延岡市大貫町)の松田陽子さんと建設会社「鈴木組」(椎葉村大字下福良)の鈴木宏明さん。松田さんは、寝具専門店が地元で建築を学ぶ学生と協力し、空き店舗を活用した宿泊施設を作るプラン。鈴木さんは建設業の傍らチョウザメを養殖し、キャビアを生産することによって、天然のチョウザメを乱獲する必要がない環境を作り、他の絶滅危惧種の生物も生き残る世界を目指すことを提案している。
松田さんは「跡を継ぐために大切なことは、先代からの思いを引き継ぎつつ、これからの時代を考えること。U35 nobeoka未来会議という延岡の若手が集まるイベントで、建築を学ぶ学生と良い出会いがあったこともあり、プランを練り上げることができた」と話す。
鈴木さんは「私のプランは、親の事業をそのまま引き継ぐのではなく、新しいことにチャレンジするために今までの事業を活用したいと考えている人に参考になるのではないかと思う。跡継ぎにもいろいろな形があることを知ってもらえたら」と話す。
松田さんと鈴木さんは以前からの知り合いで、松田さんは「私たちは同世代。キャラの濃い2人がファイナリストになった」と笑顔を見せる。
最終審査発表会の開催日時は2月19日、13時~17時30分。オンラインで視聴ができる。参加費無料。Peatixから要事前申し込み。