日向経済新聞の2020年PV(ページビュー)ランキング1位に輝いたのは、日向の蒸しパン店が1歳の長男のちょっとしたいたずらが原因で大量生産を余儀なくされ、急きょ出張販売を敢行した記事だった。
50種ほどの中から日替わりで30種以上の蒸しパンを提供する「もってぃ」
ランキングは、今年1月1日から12月10日までに配信したヘッドラインニュースからPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。
1. 宮崎・日向の蒸しパン店が「息子のいたずら」で急きょ大量生産 市内で出張販売へ(9/14)
2.宮崎・日之影で「トトロのコケアート」 「宮崎のバンクシーか」と話題に(1/8)
3. 宮崎・椎葉村の「宮崎バターサンド」が人気 夫婦で手作り、2カ月で5000個完売(6/23)
4.「延岡シネマ」がコロナ禍で支援グッズ販売 来場者9割減きっかけに(8/13)
5. 宮崎・門川の「インパクト」がカキ小屋 店主「食べ放題で味わって」(6/15)
6. 宮崎・細島に古民家活用の総菜店 「駄菓子屋のような存在に」と姉妹が開く(11/2)
7. 日向・細島に「ジュクルパコーヒー」 豪で本場のカフェ文化に触れ、夢を実現(9/18)
8. 延岡にコーヒーが飲める園芸店 門川から移転し、新サービス(9/20)
9. 日向・お倉ヶ浜にカプセル&コンテナホテル 「遊びながら働く」提案も (8/22)
10. 宮崎・日向に鶏炭火焼きテークアウト専門店 居酒屋「みたに」が新業態(6/26)
1位は子育てしながら一人で製造、販売する中内由美さんの蒸しパン店「もってぃ」の話題。当時1歳8カ月の長男がコンセントを抜いたことで、慌てて追加で酵母を発酵したが、最初の分も発酵されていたため、結局1440個分の蒸しパンの酵母を抱えることになった。周囲の協力を得て、急きょ出張販売を4日間行うことを報じた。NHKのニュースでも取り上げられ、事情を知った人たちが「助けてあげたい」と販売先にやってきてくれ、前日完売となった。子どものいたずらという理由が、ほのぼのとしていて、人々の共感を呼んだと思われる。
2位は、日之影町の旧高千穂鉄道日之影温泉駅近くの沿道に現れた「トトロ」のコケ絵。全国ニュースでも取り上げられ、今も写真を撮りに来る人がおり、近隣住民に聞くと「すっかり観光名所として定着した」という。
3位は日本の三大秘境の一つ、椎葉村の夫婦が手作りする「菓te-ri」のバターサンドが人気となったニュース。多メディアでも取り上げられるなどし、評判が評判を呼ぶ形に。2020年4月から7カ月間で約5万個を販売した。
そのほか、4位はコロナ禍で映画館「延岡シネマ」が観客9割減となり、グッズ販売開始。5位は遊漁船の船長が腕を振るう居酒屋のカキ小屋オープン。6位、7位は日向の港町・細島で女性たちが開業した総菜の店とコーヒー店の話題がランクインした。
コロナ禍でイベントが中止になるなど、取材がままならない時期もあったが、新たなチャレンジをする人を追いかけ、記者自身が元気をもらうことも多かった。日向経済新聞は2021年も日向、門川、延岡のほか、高千穂、日之影、五ヶ瀬、椎葉などエリア内のハッピーニュースを取材し、経済、ビジネス、カルチャー、街ネタなどさまざまなジャンルの情報を届けていきたい。