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延岡の愛宕山から望む月が「日本百名月」に 宮崎県内で初認定

愛宕山展望台から望む月

愛宕山展望台から望む月

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 延岡市の「愛宕山展望台から望む月」が10月2日、夜景観光コンベンション・ビューロー(東京都中央区)が認定する「日本百名月」に登録された。

愛宕山眼下の日向灘にできる「月の道」

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 日本各地にある「美しい名月」の魅力を国内外の旅行者などにアピールし、日本の月見文化の観光資源化を目指す同団体。「日本百名山」の月見場所版として、同団体と近畿日本ツーリストグループを統括する「KNT‐CTホールディングス」が2016(平成28)年5月から展開している。

 「愛宕山からの月」は10月2日に開かれた日本百名月推進委員会で、全国約100カ所のノミネートの中から、第6回認定登録地(6カ所)の一つに選定された。九州では5カ所目で、宮崎県内では同所が初めてとなる。全国の登録地は58カ所となった。 九州のこれまでの認定登録地は、「稲佐山から望む月」(長崎県長崎市)、「竹田市・岡城・荒城の月」(大分県竹田市)、「たがわ炭坑節の月」(福岡県田川市)、「水郷柳河の月」(福岡県柳川市)。

 愛宕山(標高251.3メートル)は、延岡市街地を分断するように突き出た山で、古来「笠沙山(かささやま)」と呼ばれ、天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫であるニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが出会い、結婚したという伝説が残る。

 山頂付近にある展望台からは約300度のパノラマが広がり、晴れた日は日向灘や四国の山並みが見渡せる。伝説をもとに恋人同士が鳴らす「鐘」と、南京(なんきん)錠をかけて愛を誓う「錠かけモニュメント」、蓄光石を敷き詰めて天の川を再現した「光の小道」を備え、「出会いの聖地」として人気を集めている。

 夜は、眼下の延岡市街から奥に突き抜けた半島まで、海岸線沿いに伸びやかな夜景が楽しめる。工業地帯や住宅街など明かりの種類も豊富で、2004(平成16)年には宮崎県内で唯一の「日本夜景遺産」に認定された。

 同団体は公式ホームページを通じ、「広々とした空や海は月を愛(め)でるロケーションとして抜群の開放感。満月が昇る日は大海原に『月の道』が浮かび上がり、夜景をより幻想的に昇華。まるで街明かりと自然の月が出会い、結ばれていくような幽玄なる光景が楽しめる」と紹介する。

 今回の認定登録について、延岡市の読谷山洋司市長は「夜景が美しいことに加え、日本百名月が観賞できる場所であり、元々は神話に出てくる神々が出会いの地であることを多くの人にPRしていきたい」と話す。

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