宮崎の日之影町で青雲橋をバックに連だこを揚げる町のCM動画の配信が10月3日、ユーチューブで始まった。
日之影川をまたぐ峡谷に架設された鋼製のアーチ橋「青雲橋」は1984(昭和59)年、10年4カ月の歳月を費やして完成した。橋長410メートル、橋面から水面までの高さは137メートルで、当時としては国内1位の高さを誇っていた。同町の重要な観光名所となっている。
青雲橋の認知度を高めようと、同町中央地区のユーチューブ愛好家らが橋をテーマにした動画制作を企画。線香メーカー「日本香堂」(東京都中央区)の代表ブランド「青雲」のCMにインスパイアされた55連のたこを掲げる内容にすることを決めた。本物のCMにできる限り近づけたいと「青雲橋」と描かれたたこを手作りした。有名なCMソング「青雲のうた」を歌うのは高千穂町在住で自作の歌を歌い、配信活動などを行う平井邦幸さん。
制作メンバーの一人で同町在住の高橋一彰さんは「風の無い日はたこ揚げの練習ができず、ただただ良い風を待つ日が続いた。天気予報を注意深く見ながら日程を調整し、本番当日を迎えたが、なかなか風が吹かず、数時間待ってようやく撮影ができた。納得できる動画が完成したので多くの方にぜひ見てもらいたい」と話す。
日本香堂の公式ツイッターでは8月27日、「お線香の『青雲』と同じ名前をもった橋が宮崎県にあるという情報を入手」と初めて青雲橋について言及があり、その後、町の人たちとSNSで交流。今回のCMについては10月3日に早速、「宮崎県にある青雲橋で青雲のたこ揚げが行われたようです まるであのCM 中の人も感動しております」との投稿があった。
企画メンバーの一人である重信誠さんは「『青雲』の縁から生まれた動画で、日本香堂さんにもお墨付きをもらったような気がしてうれしい。正式なCM撮影のために日之影に来てもらうことが大きな夢になった」と笑顔を見せる。