五ケ瀬川水系の「鮎やな漁」が10月1日、解禁され、「延岡水郷鮎やな」(延岡市大貫町)でオープン式が行われた。
宮崎・延岡の秋の風物詩「鮎やな」は、産卵のため川を下るアユの習性を利用した伝統漁法で、同地では300年以上の伝統がある。河原で焼くアユの香ばしい香りは環境省が認定した「かおり風景百選」にも選ばれており、2カ月間で2万人を超える観光客か毎年訪れている。
今年は新型コロナウイルス感染症防止のため、食事棟として使われてきた「かわまち交流館」内での営業は中止。風通しの良い河川敷にテントを設営し、最大8人が座れる囲炉裏(いろり)席を20カ所設けて営業を行う。メニューはアユの塩焼き、みそ焼き、甘露煮、アユめしの単品4種。
オープン式には、市内の政財界関係者、地元観光協会代表など約120人が出席。神事の後、テープカットや鏡割りでオープンを祝った。
延岡観光協会代表理事の谷平興二さんは「お客さんの60%は市外・県外からのお客さんのため、密になりやすい食事棟での営業は中止したが、『300年のアユやなの伝統を途絶えさせるわけにはいかない』との思いから、このような新しい形での営業を決めた。コロナを吹き飛ばし、笑顔いっぱいの広場になれば」と話す。
運営は「あゆ処 国技館」(TEL 0982-23-1905)が担当する。10月1日~15日はテークアウト営業のみ。囲炉裏席での営業は10月16日~。テークアウトの営業時間は11時~19時。囲炉裏席の営業時間は、平日=11時~15時、17時~21時、土曜、日曜、祝日=11時~21時。囲炉裏席のみ木曜定休。