移住促進イベント「南九州移住ドラフト会議」をきっかけに、宮崎県美郷町と鹿児島県大崎町が12月7日、連携協定を結んだ。
プロ野球のドラフト会議を模したイベントで、移住希望者(選手)と受け入れ希望地域(球団)のマッチングを図ることを目的とする。6月から約半年間、「オープン戦」「移住力強化キャンプ」「ドラフト会議」「ペナントレース」「クライマックスシリーズ」を繰り広げた。
その中で、夫婦で選手として参加していた小菅達矢さん、奈穂子さんが、夫は美郷町に、妻は大崎町に指名された。夫婦の危機を案じた両町が、2人が円満な関係を保ちながらどちらの町とも交流できるよう、連携することとなった。美郷町は宮崎県北部の山間部に位置し、人口4823人(10月1日時点)。大崎町は鹿児島県の東南部にあり、人口1万2941人(12月1日時点)。両町とも住民の高齢化が進む。
イベント最終日のこの日、美郷町上渡川の旧渡川小学校(国際うなぎラボ)で田中秀俊・美郷町長、東靖弘・大崎町長が調印式に臨み、同イベントのスポンサー企業である「ソラシドエア」の高橋宏輔社長を立会人に、連携のきっかけになった小菅夫婦の前で署名捺印が行われた。両町がお互いに親睦を図り、特産品開発やイベントでの協力など広域的な体制を構築すること、「夫婦がどちらの町に移住しようとも、移住しなかった町は『ひがまない』こと」などの約束を交わした。
奈穂子さんは「私たち夫婦のように両町が愛し、愛される関係になってくれれば」と話す。
国内のウナギ生産量1位を誇る鹿児島県にあり、稚魚からの養殖、加工までを一貫して行う大崎町のウナギを、備長炭の生産量3位の宮崎県にあり、県内最大の生産地である美郷町宇納間の炭で焼くセレモニーも開かれた。焼かれたウナギを小菅夫妻、両町長がそれぞれ互いに食べさせ合う「ファーストバイト」を行った。