日向市・東郷町の牧水生家周辺で9月17日、歌人・若山牧水をしのび「牧水祭」が行われる。主催は日向市、日向市教育委員会、日向若山牧水顕彰会(東郷町坪谷「若山牧水記念文学館」内、TEL 0982‐68‐9511)。
近代短歌史に偉大な足跡を残した牧水は日向市東郷町坪谷出身。自然豊かな坪谷の風景や牧水を愛した母の歌など、同地にまつわる歌を数多く残す。毎年秋に牧水が生まれた地にある牧水の名を冠する公園などで歌人としての業績をたたえ、記念祭を開く。
「歌碑祭」では牧水と妻、喜志子の歌が刻まれた夫婦歌碑の前で短歌朗詠や献酒を行う。牧水公園ふるさとの家での「牧水を偲ぶ会」では「牧水短歌の力動をよむ」と題し、宮崎大学教育学部教授で牧水研究会会員の中村佳文さんと宮崎県出身の歌人で牧水研究の第一人者である若山牧水記念文学館館長の伊藤一彦さんが対談。懇談会の場も設け、牧水が好きだった田舎料理を囲み、参加者が交流し、牧水の魅力を語り合う。
中村教授は「牧水の歌は大変ダイナミック。それは歌に身体性を伴う表現が多く、声そのものが歌になっていたり、耳から素材を刈り取ったりして短歌に仕立てるから。牧水の才能の秘密を解く鍵は、会場となる坪谷の地にあると考えているので、伊藤先生と有意義な対談ができると思う。しのぶ会での小学校の子どもたちの声は、自然と心に響き、泣けるほどの感慨がある。そんな朗詠の価値についても参加者の皆さんと考えたい。今年は牧水没後91年目で、100年へ向けての記念すべき第一歩になれば」と話す。
開催時間は、歌碑祭=9時30分~9時55分、しのぶ会=10時15分~14時。食事代を含む懇談会の参加料は500円。