JR延岡駅(延岡市幸町)の列車到着ベルが3月10日、同市の郷土芸能「ばんば踊り」のメロディに変わった。同日、駅のプラットホームで記念式典があり、ばんば太鼓の披露やくす玉割り、出発式が行われ変更を祝った。
盆踊りの定番として同市で歌い継がれる「ばんば踊り」のメロディを導入することで、延岡駅の乗降客らに親しみを感じてもらおうと、延岡観光協会とJR九州が取り組んだ。
ご当地メロディの採用は、日向市駅、宮崎駅、宮崎空港駅に次いで宮崎県内では4カ所目。毎日、貨物を含む上下約80便がホームに接近する際に、自動音声に先立ち約8秒間のメロディが流れる。
流れるメロディは、1962年(昭和37)にできた「新ばんば踊り」のもの。盆供養の口説唄として歌い継がれてきた「ばんば踊り」(団七踊り)をベースに、市民が親しまれる新しい民謡として創作され、演歌歌手・村田英雄の独特の歌唱でヒットした。
記念式典には、JR九州宮崎総合鉄道事業の宮野原佳部長、延岡観光協会の谷平興二代表理事、読谷山洋司延岡市長、延岡のゆるキャラ「チキなん番長」と「のぼるくん」らが出席した。
式典では、メロディ導入を発案した観光協会常務理事の吉岡吉華さんが「ばんば踊りのメロディが流れることで、延岡市民により駅に親しみを感じてほしい。また、故郷に帰ってくる方が懐かしく感じ、初めて訪れる人にもばんば踊りのメロディを知ってもらう機会をもらった。駅を中心に延岡がますます活性化することを祈念したい」とあいさつ。ばんば踊りに欠かせない「ばんば太鼓打ちコンクール」の歴代名手4人が、メロディに合わせて2台の太鼓を叩く演舞が披露された。
午前11時5分には、甲斐将仁延岡駅長の合図に合わせ、太鼓打ち名手の一人・鶴輪隼丞君(一ケ岡小6年)がばんば太鼓を叩いて、宮崎空港行き下り列車「にちりん5号」の発車を見送った。
この日は駅前複合施設エンクロスで「のべおか春のパン祭り」が開かれ、雨にもかかわらず、大勢の人でにぎわった。