延岡のデザイン会社「オノコボデザイン」(延岡市川原崎)が雑貨のオンラインショップをオープンして、10月30日で2カ月がたつ。
発売したお香立てやスマホスタンドなど(写真提供=オノコボデザイン)
同社は宮崎県北の木材を使って鍋敷きなど日常で使うものを商品化し、オンラインショップで販売を始めた。材料の木材は、「日向備長炭」の原木としても使われる美郷町のアラカシや祝子川地区のサクラなど。オリジナルの蜜ろうワックスを塗布し、汚れや水にも強い加工を施す。
同社代表の小野信介さんは延岡市出身で、大崩山の麓の祝子川(ほおりがわ)地区で生まれ育った。両親は民宿を営みながら、兼業農家として自然を相手に暮らしてきた。民宿は2016(平成28)年から休業しているが、小野さんもデザイナーでありながら社員と共に米を作るなど、農業にも取り組む。小野さんは「田んぼに水を引くためにやぶの中を這(は)いずり回り、その翌日、東京出張という日があった。都会の高層ビルの上階でも蛇口をひねると水が出ることに違和感を覚えた。その経験から、何もかも買ったもので済ませて生活しているが、そうではない価値観が今必要なのではないかと思った」ことが、オンラインショップ開設の理由だという。
雑貨の商品開発・製造や農業分野の発信については、ショップ名でもある「鍬(くわ)と包丁」のブランドで展開していく。
第1弾商品は、「アラカシのお香立て」(3,000円)、「サクラのペーパーナイフ」(1,500円)、「アラカシのスマホスタンド」(1,500円)、「アラカシの組み立て鍋敷き(小)」(3,000円)など。
小野さんは「デザイン会社として、クライアントの業務を表現することが多いが、自分たちで学び、実践し、さらに私たちの価値観を発信していきたい」という。