宮崎県北にある諸塚村で1月20日、「原木しいたけ応縁倶楽部」の第一期会員募集が始まった。
原木しいたけ応縁倶楽部」で使うシイタケを生産する「ほた場」(写真提供=田邉薫さん)
同村は2004(平成16)年、持続可能な森林活用や保全活動を評価する「森林管理協議会」が定める国際的な森林認証制度「FSC(Forest Stewardship Council)」を日本で初めて取得。2005(平成17)年に同認証を受けた乾シイタケを取り扱う自治体となった。
「原木しいたけ応縁倶楽部」は、諸塚村観光協会(TEL 0982-65-0178)や村役場、シイタケ生産農家などの村全体が連携して行う「NABATABI(なばたび)プロジェクト」の一環。「なば」は、九州地方の言葉でシイタケの意味。
同協会事務局長の田邉薫さんは「村ではこれまで20年以上、大豆のトラスト制度やエコツーリズムなどの体験交流企画を行ってきた。コロナ禍で新しい観光の形を模索する中、村の特産品であるシイタケを基軸にした新たな体験事業の一つの切り口として、原木しいたけのトラスト制度を企画した」と話す。
募集数は原木30本分の30口(1口=1万1,000円)。寄付金は「応縁費」として原木しいたけを生産する作業費などに充てる。2024年から2026年まで3年間、所有する原木で収穫されたシイタケの半分が生産者に、残り半分は乾シイタケに加工し寄付者に送付する。送料は別途必要で、諸塚村での受け取りもできる。
田邉さんは「普段の暮らしの中ではどうしても縁遠くなってしまう生産者を、『応縁倶楽部』を通して少しでも身近に感じてもらうことで、お互いに応援し合うような新しいつながりが生まれてくれるとうれしい。今後、駒打ち体験などで村に実際に来ていただく機会の創出や倶楽部自体も第二、第三期と続けていけたら」と意気込む。
申し込みは「NABA TABI」ホームページで受け付ける。締め切りは2月10日。