天然ひじきの収穫が4月15日、延岡市須美江町で始まった。
大潮で波が穏やかな春の日に行われる。今年は3月にひじきの生育を確認したところ、例年よりも成長が遅かったため、この日となった。今年は延岡市漁業協同組合に所属する2軒が収穫を行った。約40年間、ひじきの収穫をする民宿・紺碧の甲斐幸子さんは「昔は12軒ほどが海辺に出てひじきを取っていたが、高齢化などの影響で今年は2軒になった。私たち家族にとっては、春の恒例行事」と笑顔を見せる。
幸子さんの息子の宏明さんは、「収穫する人が少なくなりさびしい気持ちもあるが、須美江のひじきは長くてふっくらしているため、評判がいい。年々、丈が短くなっているが、今年も品質はいいので、特徴である食感と磯の香りを味わってほしい」と話す。今年は1軒で約500キロを収穫する見込み。
収穫した生のひじきは天日干しし、炊いて蒸らし、もう一度天日干しをする。その後、不純物が入っていないかチェックし袋詰めする。宏明さんによると、乾燥ひじきの重量は生ひじきの10分の1ほどになるという。
商品は4月中、道の駅「北川はゆま」(延岡市北川町)、ふるさと市場(延岡市愛宕町)に並べる予定。