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山田洋次監督最新作「TOKYOタクシー」、日向で全国初上映 山田会主催

山田洋次監督最新作「TOKYOタクシー」の一場面。11月21日全国公開 ©2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

山田洋次監督最新作「TOKYOタクシー」の一場面。11月21日全国公開 ©2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

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 日向市文化交流センター(日向市中町1)で9月23日、山田洋次監督の最新映画「TOKYOタクシー」の全国初の上映会が行われた。

撮影の裏話を語る山田洋次監督。映画「TOKYOタクシー」日向上映会で

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 主催は日向市の山田監督のファンで作るグループ「山田会」。同会が発足するきっかけとなったのは、山田監督の代表シリーズ「男はつらいよ」の第45作「寅次郎の青春」が宮崎県日南市に決まったこと。「なぜ日向に来てくれなかったのか」「ぜひ日向でやってほしい」と考えた同会代表の和田康之さんが、寅さんの舞台に合うのではないかと考えた日向市内の各所を撮影し、写真を山田監督へ手紙と共に送付。なしのつぶてだったが、その後、和田さんは、当時一般も購入できた「タレント名鑑」で監督の連絡先を調べ、電話で山田監督に直談判。日向市でのロケの依頼と映画祭への登壇を打診した。電話から1カ月後には山田監督のスケジュールを押さえることに成功し、1994(平成6)年1月に初の上映会を行った。上映会は2023年の「こんにちは母さん」以来2年ぶりで、今回で27回目となる。

 今回上映したのは11月21日に全国公開となる山田監督の最新作で、主演は倍賞千恵子さんと木村拓哉さん。木村さん演じるタクシー運転手が、倍賞さん演じる85歳の女性を高齢者施設まで送る一日を描いたもの。全国に先駆けて日向で初上映した。原作は2023年に日本でも公開されたフランス映画の「パリタクシー」。

 約1300人の観客と共に会場で同作を鑑賞した山田監督は、倍賞さん、山田作品の常連俳優・北山雅康さんと舞台に上がった。観客は入場時に渡された黄色いハンカチを振り、「お帰りなさい」と監督らに呼びかけた。山田監督は「『お帰りなさい』と言われることが、何て幸せなことなんだろう。(プロデューサーの房俊介さんが)ワールドプレミアと言っていたけど、これだけ大きな会場で見ることは日本では他にないと思う」と話す。

 倍賞さんは「小さいおうち」(2014年公開)の上映会以来、4回目の日向訪問。倍賞さんは自身が歌い、同作でも挿入曲になっていた「星屑(くず)の町」をアカペラで披露した。

 山田監督は主演の一人、木村さんについて、「日を追うごとに彼が好きになっていったな」と話し、「(撮影途中に)嫌になる俳優もいるが、彼は反対だった。自分の出番が終わりだから『お疲れさまでした』と帰らずに、(その場面に)僕がいるという設定だから残ると言われ、ドキリとした」と振り返った。

 観客の女性は「毎回上映会に来ているが、今回の作品が今までで一番感動した。今後も日向での上映を続けていってほしい」と話していた。

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