延岡市のコワーキングスナック「n計画」(延岡市幸町1)を経営する男性が現在、ソーシャルディスタンスを保つアイデア本の出版を目指し支援を呼び掛けている。
企画したのは同スナック経営者の一人で建築家の山根俊輔さん。延岡駅前複合施設「エンクロス」の設計に携わったことが縁で、東京と延岡に拠点を持つ。コロナウイルス感染拡大防止のために飲食店などで取られている人と人との「1メートル以上の距離の確保」に関して、「どうせ必要な距離なら『1メートルの空間』として楽しみたい」と考えた山根さんは5月、アイデアを募集するコンペを開催。6月、集まった58のアイデアから最優秀賞など7つの賞を授与した。
最優秀賞は「Time Soap(タイムソープ)」。1メートルの距離を取った客席と客席の間にガラス容器をセットし、そこに廃油などの材料を入れ、1カ月かけて石けんを作るというもの。ゆっくり固まっていく石けんを眺め、店で過ごす時間の蓄積を可視化し、出来上がった石けんで手を洗い、感染予防につなげ、石けん販売で店の売り上げにも貢献する。
今回の書籍は、これらのアイデアをまとめたもの。
山根さんは「今のソーシャルディスタンスは貼り紙やアクリル板の設置などが主なものだが、もっとその空間を楽しむことができれば、飲食店や学校などでも、対策という少し後ろ向きの雰囲気を変えられるのではないかと考えた。コンペは終わったが、素晴らしいアイデアがいくつもあったので、必要としている人に、本という形で届けることができれば」と話す。
現在、書籍化に向けたクラウドファンディングに挑戦中で、目標額30万円に対し23万6,280円(7月19日現在)が集まっている。返礼品は特製定規や出版する書籍など。締め切りは7月26日。