宮崎・延岡の差木野町の田んぼで2月2日、麦踏み体験が行われた。
同イベントは「踏んでつなごう日本農業」と題して文化を伝承しようと取り組んでいるもので、今年で11回目。青空の下、約360人が集まり、2枚の麦畑、約1ヘクタールに青々と成長した麦を思い思いに踏む体験をした。麦畑の所有者で専業農家の牧野恭広さんによると、今年は暖冬で例年より10日遅い、12月10日に種まきをしたという。
牧野さんは「毎年、会場にはさまざまな人が集まり、麦踏み体験をしてくれてとてもありがたい。麦踏みは、穂をつけた時に倒れにくく、強い麦穂にするためと全体の成長をそろえるために行う。昨年の麦も品質が素晴らしかった。この体験で農業を理解する機会となれば」と話す。
参加した延岡市在住の甲斐裕子さんは「4歳の息子と今年初めて参加した。土が思った以上にやわらかく、逆に麦の根の強さに驚いた。普段この田んぼ道を車で走るので、麦の成長を見守りたい」と笑顔を見せた。門川町在住で5歳の徳永結咲さんも「麦踏み体験は楽しかった。来年もまた来たい。会場で売っていた焼き芋がおいしかった」と話す。
麦踏み体験後は、「麦」と「農」をテーマにした短歌と俳句を事前に募集し、市内外から集まった俳句85句、短歌43首から選ばれた8作品の表彰式を行った。餅まき、豚汁の振る舞いなども行われ、会場はにぎわっていた。
麦は5月上旬に収穫予定で、麦は焼酎メーカー「佐藤焼酎製造場」の麦焼酎の原料として、麦わらは地元の家畜の飼料として使われる。