宮崎・美郷町の西郷ニューホープセンターで1月18日、地元の特産品、完熟キンカン「たまたま」の収穫祭が行われた。
宮崎ブランドに認定されているキンカン「たまたま」が1月14日に初出荷され、同町は今年で3回目となる解禁を祝うイベント「きんかんヌーボー」を開催。町内外から約40人の参加者が集まり、キンカンの収穫体験やキンカンを使った料理を楽しんだ。
キンカンの中でも「厳選された」たまたまは、ハウスで栽培し、花が咲いた後210日間、樹上で完熟させる。そのため、解禁日を迎えるまでは販売が制限される。出荷ができるのは糖度16度以上、直径2.8センチ以上のもので、最高級品「たまたまエクセレント」は糖度18度以上、直径3.2センチ以上と定められている。昨年、美郷町では250トンのキンカンが出荷され、今年は210トンの出荷を見込んでいる。
キンカン農家の団体、美郷町さいごう完熟金柑部会の指導の下、はさみを使い参加者が収穫体験を行った。参加者の一人で延岡市から訪れた山口朱里さんは「友達の紹介で初めて参加した。キンカンの収穫体験も初めて。キンカンが思ったよりも大きいことにとても驚いた。2歳の息子も自分から手を差し出して実を取ろうとしていて、一緒に楽しむことができた。帰ったら甘露煮にしたい」と話していた。
今年の生育状況について、同部会長の大野節夫さんは「天候の影響で実の成りが遅れている。台風などもあり、傷のある実が多いように思う」と言う。イベントについては、「この機会に若い人たちにも食べてもらいたい。小さい子どもさんがおいしいと食べている様子を見て、とてもうれしい」とも。
ランチ会では、スライスしたキンカンをトッピングしたキンカンサラダ、しょうゆや酢などで一夜漬けにしたキンカン、栗加工会社「栗処(くりどころ)さいごう」のキンカンのわらび餅やドライキンカン、菓子店「村の果菓子屋」が作ったたまたまの入ったゼリー、キンカンのマドレーヌ、ピザ専門店「OttO-OttO」のキンカンジェラート、和菓子店「日向利休庵」のキンカンロールケーキなどを振る舞った。町内産の米を使ったおにぎり、しし汁、鶏汁、鹿肉のローストビーフなども提供した。
東京から参加した大学4年の前田智美さんは「参加する前はキンカンについて知らないことが多かったが、生産者から直接、キンカンの出荷までの過程を聞いて多くの情報を得られた。キンカンといえばそのままで食べるイメージしかなく、キンカンサラダを見て、おしゃれだなと思った。また参加したい」と笑顔を見せた。