宮崎・日之影町の沿道で現在、コケを切り取って描かれた作者不明のキャラクター絵が地元民や通行人の目を楽しませている。
宮崎県北部の山間地域に位置する人口約3600人の日之影町は、世界農業遺産に認定された「高千穂郷・椎葉山地域」に属し、主な地場産業は農業。
アニメ映画「となりのトトロ」のキャラクター「トトロ」をかたどったコケ絵は、国道218号線から入った旧高千穂鉄道日之影温泉駅近くの沿道に昨年12月ごろ出現した。道路脇の斜面に生えたコケを削り取って描かれた絵は、高さ2メートル、幅1メートルほどの大きさで、映画のシーンに登場したバス停も描かれている。
その後、現在までに、ヒトやネコの足跡や、となりのトトロに登場した「ネコバス」など4カ所でコケアートが見られる。
同町で地域産品のネット販売事業を手掛ける「SEWANE(せわね)」代表の重信誠さんによると、地元住民は突然の壁画の出現に驚いたものの、「小学生が絵を見て、めちゃめちゃはしゃいでいたり、住民の方が地元メディアに電話したりするなど、大変喜んでいる」という。
SNS上では現在、「トトロ!トトロが居るよ!通勤中に見つけたクリスマスプレゼント」「日之影に謎の壁画が出没」などの投稿があり、「喜ばれる落書き」「笑顔になる落書き」「書いた人respect」などのハッシュタグが付けられた投稿も見られる。日向市在住の60代男性は「たまたまこの道を通り、壁画を見つけて日之影にもバンクシーがいたのかと驚いた。町おこしの一環だろうか」と話す。