宮崎・日向の細島工業港1・2号岸壁で11月24日、「巡視船こしき」の体験乗船会が開かれた。
2010(平成22)年3月9日に就役した同船は、大規模災害時の救助を行う拠点として機能を強化した巡視船で、警備の実施なども行う強化巡視船にも指定されている。鹿児島海上保安部に所属し、総トン数1300トン、全長89メートル、幅11メートル。
この日は体験乗船会が行われ、宮崎県内の小中高生や保護者など22人が参加した。船内では、普段乗員が使う広間を見学。船内にあるモニターで船の前後やレーダー画面を見て船の位置やその周りを確認するなど、担当者が実際に機械を動かしながら役割や機能などを説明した。
見学者は真剣なまなざしで乗員の話を聞き、船内を興味津々に見て回った。海上保安庁は海難救助のほか、テロリストからの攻撃への対応や、違法操業者の取り締まりなどの任務もある。同日、乗員が船内で刃物などを所持している不審者を盾などを使いながら、制圧し確保する「制圧訓練」や、不審な船をゴムボートを2船使いながら追いつめ制圧する「規制訓練」の実演も披露した。
乗員への質問タイムも設けられた。見学者からは「どうやったら海上保安庁に入れますか」「出張はありますか」など仕事に関する質問や、「ゴムボートは1台どのくらいの金額ですか」など笑いを誘う質問も飛び出した。
将来は海上保安庁で仕事がしたいという夢を持つ宮崎市内の男子高校生は「ドラマの『海猿』を見たのがきっかけで、船に乗って人を助けたいと思っている。機会があれば、その都度港に入った巡視船などに乗せてもらっているが、この巡視船は他の船にない設備があり驚いた。改めてすごいなと感じた」と話す。