日向市のキャリア教育推進事業「よのなか教室」の研修会が5月21日、喜重会館(原町)で行われた。
日向商工会議所(上町)が受託運営する「日向市キャリア教育支援センター」で取り組んでいる同事業は、2014年9月から始まった。「日向の大人はみな子どもたちの先生」を合言葉に、日向で働く大人たち(よのなか先生)が市内の小学校、中学校、高等学校に出向き、働く喜びと苦労をテーマに授業を行う。
研修会と交流会は年2回、各学校の教職員、よのなか先生らが集まり開いている。この日の研修会には教職員、企業人など合わせて63人が参加。同センター事務局によると、昨年度は市内の小中学校、高校で出前授業を136回行い、延べ1万人以上が受講したという。
会場では、キャリア教育に端を発した、より包括的な地域での取り組み「ひゅうが学びの学校」の説明や、これまで行ってきたよのなか先生の事例紹介、各班に分かれて2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標「SDG's」についてのワークショップを行った。このほか、同事業に多大な貢献を果たした事業所や個人の表彰も行った。表彰されたのは、清掃会社「グローバル・クリーン」、同社社長の税田和久さん、ドライブインや碁石製作所を運営する「ミツイシ」社長の黒木宏二さん、日向商工会議所婦人部の山本恵子さん。
講演では、中学生の職場体験を推進する「天領うどん」社長の田崎澄さん、オリジナルろうそく販売で起業した「アオイヨル・キャンドル」代表の西田優香理さんが登壇した。
田崎さんは「関連会社の菓子店『ビッグパパ』での職場体験をきっかけに、菓子作りに興味を持ち、福岡での修業後、宮崎でカフェを開いた人がいると聞きとてもうれしく思っている。キャリア教育によってまたいつか日向に戻ってきて、日向を盛り上げたいと思ってくれる子どもたちが増えてくれることを願っている」と話す。
よのなか先生の登録は随時、同センターで行っている。