日向のホテルベルフォート日向で3月19日、歌人・若山牧水をしのぶイベント「あくがれを愛する会」が開催された。参加者は約120人。
1885(明治18)年に現在の日向市東郷町で生まれ、1928(昭和3)年に没した歌人・若山牧水。43年という短い生涯で8800首の短歌を生み、そのうちの300首以上が酒にまつわるものだったという。
そんな牧水に敬意を表し、平成16年に作られたのが焼酎メーカー「あくがれ蒸留所」。今回のイベントは牧水を愛し、同メーカーを応援する「あくがれを愛する会 日向支部」が企画した。
蒸留所を設立した日向の建設会社「旭建設」の黒木繁人社長が会の冒頭で、同イベントの6年ぶりの開催を「うれしく思う」とスピーチ。牧水研究家で歌人の伊藤一彦さんの講演を聞いたことがきっかけで、「酒好きだった牧水に敬意を表し、彼の生まれ故郷に酒蔵を造りたい」との思いが芽生え、それを実現させたことを話した。
同イベントに招かれた伊藤さんが講演し、牧水の有名な歌「けふもまた こころの鉦(かね)を 打ち鳴らし 打ち鳴らしつつ あくがれて行く」を朗詠。この歌が故郷に帰る道中の岡山県と広島県の県境で歌われたこと、牧水の魅力が「日向人らしく決して絶望しないところ」であることなどを解説した。伊藤さん自身も酒好きであることを明かしながら、自身の持論である「ビールは喉の渇きを癒やし、日本酒、焼酎は魂の渇きを癒やす」という言葉も紹介した。
同市出身の演歌歌手・小田矢かなさんの歌謡ショーも同会に花を添えた。
参加者は同蒸留所のさまざまな焼酎を楽しみ、互いの親睦を深めた。