延岡・柚の木田町の一級建築士がZINEを創刊し、現在、無料で配布している。
千葉県八千代市出身の高橋さんは4月、建築設計事務所「コンターアーキテクツ」(延岡市柚の木田町)を開業し、今夏、ZINE「輪郭をなぞる-延岡の自然環境を可視化しながら考えた建築のこと-」を刊行した。データを用いながら、三方を山で囲まれ、一級河川の北川、五ヶ瀬川などが日向灘に流れる土地の特徴をまとめ、高橋さんの建築へのアプローチ方法と共に紹介する。延岡の駅前複合施設「エンクロス」や、延岡、日向の歯科医院、不動産会社などで無料配布するほか、オンラインでも読むことができる。現在も、「ZINEを置いてくれる場所を募集している」という。
高橋さんは「延岡で暮らし始め、自分自身の感じた気象的な特徴がなぜ起きるのか、地形的な背景を説明したいと思い、ZINEを制作した。延岡は都市と自然が近いところがいい。もともと山登りやキャンプが好きで、仕事においても自然と共生する『環境建築』を得意としてやってきた。延岡に来て、今までと自然との接し方が違う。自分自身、自然の移ろいを感じながら暮らしたい」と話す。
高橋さんは東京理科大学、同大大学院を卒業後、大手設計事務所「日本設計」(東京都港区)に入社。約10年勤務し、独立するタイミングで、「地方で子育てをしたい」と考え、妻の出身地が延岡だったことから、妻、2歳の娘と共に移り住んだ。八千代市内にも事務所を置き、2拠点で仕事をしている。屋号の「コンター」は等高線、輪郭という意味。
次号は日向をテーマに今年中に発行予定。以降、年2回程度の発行を予定している。