延岡市の助産師が制定を目指す「性教育を考える日」の認定申請が6月10日、日本記念日協会(長野県佐久市)に受理された。
認定申請を行ったのは、助産院「ママズウィング」(沖田町)代表の水野弥生さん。産前産後の女性の相談にのるほか、学校などに出向き、性教育の大切さを説いてきた。水野さんはヨーロッパの国々では5歳から学校などで性教育を行うことが標準で、オランダでは0歳から性教育が行われていることを知り、日本の性教育の遅れを痛感したという。
水野さんは「未成年の予期せぬ妊娠、出産、中絶などの問題から、不妊治療で悩む女性、増えていく子どもたちの性被害など、数多くの性にまつわる問題が起きている。少しでもこれらの問題を減らし、解決するためには学校での『包括的性教育』の実践が不可欠」と話す。包括的性教育では、性的行動だけでなく人との関係性、ジェンダーや人権などより幅広い内容を扱う。水野さんは第一に「命の大切さを知ることができる」と指摘する。
包括的性教育の意義を知ってもらい、親子で性について考える一日にしようと7月第3月曜の「海の日」を「性教育を考える日」にしたいと日本記念日協会に申請。このほど受理された。海の日は「産みの日」とも読め、出産が潮の満ち引きとも深い関係があるといわれていることや、夏休み前のタイミングでの性教育の必要性を啓発するため、この日を選んだという。「命の尊さ、相手を尊重する心、自分を大切にすることを考える1日にしてほしい」(水野さん)。
水野さんをはじめとする助産師仲間で立ち上げた「日本いのちの心アカデミー協会」は、今年の「海の日」に当たる7月17日に「包括的性教育」を啓発するイベントと、記念日認定を祝うセレモニーを開催する。開催にかかる費用や記念日登録するための費用、合わせて60万円ほどの寄付も募っている。寄付の申し込みは代表の水野さんが電話(TEL 080-3990-0723)で受け付ける。