日向市特産のかんきつ類「へべす」の出荷が6月1日、始まった。
同市発祥の香酸かんきつ類「へべす」は、江戸時代末期に同市富高地区で発見された。種が少なく皮が薄いため、果汁を多く含むことが特徴。ビタミンCや必須アミノ酸などの栄養素も含む。
この日は、門川町の農家でJA日向平兵衛酢部会部会長の川崎泰富さんが、栽培した約180キロのへべすをJA日向選果場に運び込んだ。川崎さんは「5月の気温が低かったため、へべすの花が落ち、実が少ないと感じたが、品質は例年通り今年も玉太り、酸味、果汁も申し分ない。鮮やかな緑色のへべすは皮が薄く、香り高く品質もよい」と話す。JA日向管内で今年のハウス栽培のへべすは約7トンを出荷予定。昨年の約5.5トンより多くなる見込みという。
日向市農業畜産課・農業振興係の男性職員は「日向特産のへべすが出荷される時期を楽しみに待っていた。ハウス栽培のへべすは毎年品質が良く、今年は昨年より多く採れる見込みなので、より多くの人に召し上がっていただきたい」と笑顔を見せる。
日向市、門川町合わせて5軒の農家が、計80アールの栽培面積でへべすを作る。ハウス物は7月下旬までの出荷予定し、8月からは露地物を出荷するという。