延岡市の企画・制作会社「0982」が現在、市内の廃校を特集した写真集「学び舎(や)の記憶~のべおか廃校遺産2022」の発刊プロジェクトを進めている。
発刊する「学び舎の記憶~のべおか廃校遺産2022~」の表紙案
過疎化や少子高齢化などを理由に全国的に廃校が増えている中、延岡市内でも2002(平成14)度以降の廃校が20校(統合校含む)を数える。同写真集ではうち14校を写真で特集するほか、昭和時代に廃校になった学校についても紹介する予定。
同社社長の馬場和久さんは「明治時代に創立され100年以上の歴史を積み重ね、地域の中心にあった学校が次々になくなっている現状は、地域の活力減退の象徴であるとともに、元気だった当時をしのぶ貴重な遺産でもある」と話す。「廃校の中にはすでに校舎が取り壊され、廃校記念の碑だけの場所があれば、企業誘致の受け皿として活用されている所もある」とも。
「今後、廃校の利活用が進めば、子どもたちが学び、遊んだ名残さえも霧散してしまう。廃校の現状を写真集にすることで、コロナ禍で里帰りがままならない卒業生だけでなく、私たちみんなが子ども時代にタイムスリップできるのではないかと考え、発刊に踏み切ることを決めた」と言う。
現在、クラウドファンディングで制作費の寄付を募っている。目標金額は印刷費、制作費、返礼費などで150万円。寄付の申し込みは3月19日まで。