延岡市北川町の西郷隆盛宿陣跡資料館(TEL 0982-46-2960)で管理人を務める児玉剛誠さんが昨年12月、歴史書「北川歴史散歩」を自費出版した。
西南戦争の際、西郷隆盛が宿陣した児玉熊四郎邸が資料館として保存されている
児玉さんは1943(昭和18)年、北川町大字長井生まれの79歳。西郷隆盛宿陣跡資料館(児玉熊四郎旧邸)が生家ということもあり、西南戦争と延岡の歴史を伝承に務めている。北川町役場職員として北川町の歴史編さんに携わり退職後、1992(平成4)年に同資料館の管理人に就任した。宮内庁御陵守部や宮崎県民族学会会員、延岡市文化財保護審議会員を兼任する。
「北川歴史散歩」では、1970(昭和45)年頃から児玉さんが個人で書き留めていた北川町の史実をまとめた。北川町の17地区ごとに信仰や記念碑、史跡などの詳細を写真とともに紹介している。
編集に取り組んだきっかけについて、児玉さんは「私たちは自然との折り合いをつけながら歴史を大切にして生きてきた。しかし最近、人々の自然への畏敬の念が薄れていることに危機感を抱いていた」と話す。同書の今後の活用法を「北川町の歴史を知るためだけでなく、若い世代にが歴史について興味を持ってもらうことで、この本をさらに更新していく人材が生まれれば」と次世代に期待を寄せる。実際に同書を読んだ人から勉強したいという連絡が複数入ったという。
作成部数は200部。学校や図書館などへの寄付のみで現在、一般販売は行なっていない。問い合わせは西郷隆盛宿陣跡資料館まで。開館時間は8時30分~17時。