NPO法人「フードバンク日向」(日向市平岩)が1月で3周年を迎えた。
フードバンクは、食べるものに困っている家庭や施設、団体に無償で食品を提供する活動。同フードバンクは日向市出身の堀アトムさんが自身の幼少時代の経験から、地元の子どもたちの貧困を解決したいと考え、賛同した仲間と共に2019(平成31)年1月に設立した。
企業などから包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、安全に食べられるのに流通に出すことができない食品を寄贈してもらったり、個人から家庭で食べきれない食品を提供してもらったりして食品を集め、困窮家庭に無料提供する。
設立当初から理事を務める黒木宏二さんは「3年前に比べ、困っている家庭の方が声を上げやすい環境ができつつあり、ニーズを感じている。一昨年の年末は配布する食料が足りず、購入して配ったが、全国組織である協議会に加盟し、自治体、企業からの支援も増えた。今後も民間の立場から社会課題を解決していけるよう、安定した活動を続けたい」と話す。
同フードバンク広報担当の宇野鮎子さんによると、集めているものは缶詰、フリーズドライ食品、インスタント食品、レトルト食品、調味料、飲料、米、パスタなど。賞味期限が1カ月以上あり、未開封で破損のないもの、常温保存のものを受け付けているという。宇野さんは「日向市にある14カ所のフードドライブスポットに食品を持っていってもらえれば、それらがフードバンク日向に集められる。フードロスの削減にもつながるので、家庭で余った食品があれば寄付してほしい。賛同いただける方からのお金での支援や、ボランティアとしてのお手伝いも歓迎」と話す。
毎週第3土曜を活動日に定め、ボランティアの力を借りながら、食品の仕分けや配布する食料の箱詰めなどを行っている。