「ハンスハンター渓流フェスティバル」が8月1日、宮崎県北の日之影町で初開催される。主催は日之影町観光協会(TEL 0982-78-1021)。
「ハンス・ハンター」は大正時代に鉱山事業を行った人物で、英国人の父と日本人の母を持つ。日本名は範多範三郎。海外の新しい生活文化をいち早く宮崎県民に紹介した実業家として知られ、現在もある日之影町見立地区の「英国館」はハンターが建てた。
日之影町観光協会によると、ハンターは釣りが趣味で、西洋の文化である「フライフィッシング」も楽しんでいたという。フライフィッシングは、西洋式毛ばり釣りと呼ばれ、水棲昆虫を捕食する魚の特性を利用し、それらの虫に見せかけた毛ばり(フライ)を流し、魚を釣る方法。
昭和初期の栃木県奥日光や中禅寺湖で、ハンス・ハンターが中心人物だった「東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部」の活動により、フライフィッシングはその後広く知られるようになったという。ハンターの功績をしのび、ゆかりの地の一つである日之影町でも釣りのイベントとして「渓流フェス」を開くことになった。
日之影町観光協会は、地域独自の自然や地域のありのままの文化を地域の人々とともに体験し、旅行者自身の自己変革、成長の実現を目的とする旅行形態である「アドベンチャーツーリズム」に注力している。同協会事務局次長の飯干記章さんは「日之影のフィールドは、アドベンチャーツーリズムに最適の土地。ハンス・ハンターと日之影の関係を感じていただくとともに、日之影の文化と自然を体感して、フライフィッシングに限らず、釣りを楽しんでほしい」と話す。
開催時間は9時~15時。参加費は中学生以上=3,000円、幼児~小学生=1,500円。定員は80人。対象は、新型コロナウイルス感染まん延防止を考慮し、宮崎県内在住者に限る。釣り竿や仕掛け、エサ等は参加者が持参し、釣った魚は持って帰ることができる。申し込みは、同観光協会ホームページの申込フォーム、電話、メールで受け付ける。