延岡フィルハーモニー管弦楽団が創立30周年を記念して6月19日、延岡総合文化センター大ホールで定期演奏会を開催する。
1990(平成2)年1月、クラシック演奏団体として発足した同フィル。2000(平成12)年には延岡市の姉妹都市であるアメリカ・メドフォード市で「第九」、2009(平成21)年にはオペラ「魔笛」を全幕公演するなど、アマチュアオーケストラであるにもかかわらず、活動の幅を広げてきた。
コロナ禍で昨年開催予定だった創立30周年を記念した定期演奏会が、今回ようやく開かれることになった。ゲストに延岡市出身、在住のピアニスト・山之口美玖さんを迎える。山之口さんは東京音楽大学を卒業後、ドイツのニュルンベルク音楽大学大学院に進み、研さんを積んできた。2017(平成29)年に帰国し、現在は富島高校(日向市)の音楽教諭を務める。
山之口さんは「私自身、人前で演奏するのは1年半ぶり。今回はオーケストラとの共演になるが、アンサンブルならではの喜びがある。ドイツでは気軽にオーケストラの音楽を楽しむ文化がある。延岡にも延フィルがあるので、堅苦しく思わずに、シンプルに音楽に癒やされに来てほしい」と笑顔を見せる。
延フィル代表の北林鉄平さんは「昨年度はコロナ禍で練習ができず不安に思ったときもあったが、今年は感染対策を行い、落ち着いて準備ができた。久しぶりのホールでの演奏会なので、観客の皆さんには存分に楽しんでほしい」と話す。北林さんによると、県庁所在地でなく、人口約12万人の規模の地方都市で、アマチュアオーケストラが活動しているのは全国的にも珍しいという。
演奏会の演目はモーツァルトの「ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467」やべートーベンの「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68『田園』」など。
17時45分開場、18時30分開演。チケットは全席自由=1,000円(未就学児は無料)。同施設のほか、日向市文化交流センター(日向市中町)、西村楽器延岡店(卸本町)、サヴァ管楽器店(浜砂)で販売する。